モナトリエY

mon atelier Y - マダム陽子の妄想アートギャラリースペースです。

マダム陽子のひとりごと。5

 

 

 


いまあなたは


夢のような、全てがそろった快適な飛行機

 


アトリエ兼住宅

モナトリエY

 


への搭乗を間近に控えているなか


搭乗する愛おしい地から、わずかに離れた似たようなステキな地にあなたはいる

 

 

 

 

 

 

✳︎

 

 

 

 

 

 

 


何故、そこから離れたのか?


それは一旦離れて周りを見渡す必要があったのと


搭乗準備のため一時的に居住地を移し


ホントにホントの最終ボディチェック


これはあなたが希望している飛行機ですか?


ほんとうに乗りますか?


不要なモノはありませんか?


ある場合それは持ち込み不可です


こちらに置いていく必要があります


ある場合は、こちらへ提出してください

 

 

 

 


✳︎

 

 

 

 


あなたは今まで数えきれないほどのエグい笑


ボディチェックを受けてきた


そしてそぎ落としてきた


ハタチのころの自分と


今の、四十代の自分


年齢は重ねているけれど


誰が見ても明らかにまったくの別人であり


本来のあなたへと近づき輝きを放っている


客観的にあなたが現在のあなたをみて


自分が異性だったら、ガチで告って付き合いたいって


思うくらいのかわいさになっている


もう、あの頃の自分はいないんだよ


とっくの間に卒業したんだよ


名残りおしいって、また最近卒業したことを繰り返そうとしたけど笑


その飛行機は、いまのあなたに乗るにふさわしい


超激レアのプラチナチケット


窓側の席、愛する景色が見える席も抜け目なく予約済み


荷物チェックもすでに済ませ


飛行機に関わる人たちが


あなたの、この飛行機にわたしは乗る❣️っていう


心からの願いの声をキャッチして


搭乗するその日まで入念に完璧に準備してきたんだよ


ここまできて、不要なモノは持ち込めない、だったら搭乗キャンセルします?


あなたはそれはしないよね


そんなことしたら


あり得ない!信じらんない!って声が


味方からブーイングが聴こえる 


そんなブーイングの声さえも聴かないフリして、それでもキャンセルしようとしたら


あなたに聴こえるようにスピーカーまで使い、ブーイングはヒートアップしていく

 

 

 

 

 

 

✳︎

 

 

 

 


そんなことはあなたも周りも決して望んでいない


なぜなら


一度キャンセルしたら


二度とそのプラチナチケットは


発券されないことを知っているから


だから、最終チェックで不要なモノがあったなら


こんなのが残っていましたので


そちらで処理してください


って静かに言えばいい


そしたら担当者は、わかりました


それではお氣をつけていってらっしゃいませと


心地よくあなたを送り出し、その最終ゲートを通過


あとは控えフロアで静かに搭乗アナウンスをまつ


天候は晴れ。快晴


フライトも問題なく定刻通りの出発予定


風もいつもの荒々しい表情とは打って変わり


ほんのわずか旗が揺れるくらいの風


離陸すると、窓側から見える愛する景色の数々がわたしを出迎えてくれる


そんなことを妄想し胸ときめかせていると


正面ガラス窓から夢の飛行機と目が合い


あなたはニヤニヤしながらそれを写メするが


そうだ、乗る前にトイレへ行っておこう


そしてバッチリメイクも再確認しておこうと


立ち上がりそこへ向かう


そしてトイレからでて、その完璧な姿を映し出す鏡を見ながら


施したお化粧の手直しを終えた途端


搭乗案内のアナウンスが聴こえ


あなたはスッとその列に加わり並びながら


顔を上げ、搭乗の電光掲示板の行き先を最終確認する


その間にも列は着実に前へ進んでいる


そして通過ゲートの機械にスマホをピッとかざすと


席番号等書いたレシートが


かろやかな音のあとに出てきて


いってらっしゃいませの声も添えられ


それを受け取る


そして通路を歩き、ふと横を見ると


飛行機の運転席にいるパイロット二人と目があい


あなたは笑顔で手を振る


二人はちょっと照れながらも


あなたへ向け手を振る


徐々に機内入り口に差し掛かるにつれ


ゴオオというエンジン音が比例して大きくなる


そして足元を氣にかけゆっくりそこへ入ると


かろやかなBGMが流れる機内から


CAがいらっしゃいませ、お待ちしておりましたと


笑顔で出迎えてくれる


そしてあなたはレシートをみて、自分の窓側の席を探し、そこにたどり着く


間違いがないかレシートをもう一度みて最終確認する


間違いがない、ことを確かめると


手荷物を棚ケースにポンとおき、スルッと席へ座り


シートベルトをカチッというまでしっかり絞め


スマホを機内モードに忘れずに切り替える


ふと窓をみると、あなたの愛する最北の名峰・利尻山が一足早く顔をのぞかせていて


マニアなあなたはすかさずスマホでカシャと撮り


画像見てまたニヤニヤするが


すぐに視線を窓側に向き直しその景色をじっと静かに見る


そしてあなたが無事乗り込んだことを確認したので


飛行機のドアがバタン!と閉まり


機内が一瞬、暗くなるが、またすぐに明るくなる


するとゲートと飛行機を繋いでくれた通路がゆっくり飛行場へと戻っていき


飛行機は静かにバックし始め、

 

外にいた関係者の方々が手を振ってくれている


あなたはそれをみて手を振っていると


見送る展望台からも、あなたへ手を振っている人たちがみえたので


あなたはそれが見えなくなるまで手を振る


そして飛行機は体制を前に向き、離陸に向け少しスピードを上げ前へと進む


機内では安全のためのビデオが流れている


CAも離陸の準備のため自席に座りスタンバイ


機内も離陸間近のアラームがなり


安全のためのビデオも終了


飛行機は徐々に加速をつけながらも、カーブではスローペースとなりゆっくりと旋回


そしてその美しい完璧なボディを真正面へと整える


一瞬、シンとした張り詰めた雰囲氣となる


そしてほどなくすると


管制官からテイクオフの許可がおり


パイロット二人は離陸のため一氣にエンジンを高め


飛行機は有無を言わせずロケットスタート


激しいエンジン音、タイヤの擦れる音、そして機内のガタガタと揺れる音


座っていた体がグン!と押され

 

息をするのを忘れそうな感覚になったそのとき


あの鉄の塊が、見た目とは裏腹な身軽さで


ふわりと浮き、飛行機は快晴の空へ向かって羽ばたく


体が押され苦しいながらも

 

あなたは眼下に拡がる景色がみたいと


スタンバっていたスマホを窓にむける


まず見えるのは日本最北端の地・宗谷岬

 
まだ肌寒いが、あのモニュメントのまえには、観光客らしき人もポツポツとみえる


そして飛行機は旋回し、グンと高度をあげ程なくすると


円形状の島・利尻島、そして隣には礼文島が


真っ青な海の上に仲睦まじく寄り添いぽっかりと浮かんでいる


あなたはその世界一美しい夫婦島の姿を


眼を潤ませながら、心に眼にスマホにしっかりととどめる


そして飛行機は目的地へと向かうため


さらに高度、スピードを上げ、


寄り道することなく


迷うことなく


まっすぐに


あなたの目的地へと突き進んでゆく

 

 

 

 

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陽子